「百日咳(ひゃくにちぜき)」・・小さなお子さんがいる方は予防接種をするのでよく知っていると思います。
主な症状は咳だけが長く続くだけですが稀に肺炎などの重症になる場合もあります。
もともとは乳幼児によく見られる病気でしたが最近ではむしろ大人のほうがかかる傾向にあるようです。
大人はかかってもそこまで重症化しませんが乳幼児など小さな子供の場合は特に注意が必要です。
今回はそんな「百日咳」について簡単に説明しようと思います。
百日咳とは
百日咳とは、百日咳菌という細菌に感染して起こる病気です。
発病すると主に「特殊な咳が長引く」という症状に陥りますが、これが風邪や喘息などとの区別が非常に難しく病院に行っても風邪が長引いているだけだと診断されることも少なくないようです。
「特殊な咳」というのは「気管支が痙攣するような短い間隔で続く咳」が長期的に続きます、息を吸うたびに「ヒューヒュー」といった感じの音がするのも特徴です。(喘息にも似ています)
昔は乳幼児に多い病気でしたが、最近の調査では1歳未満の発病率が約15%に対し20歳以上が約40%と・・大人のほうが多くかかる病気になってしまったようです。
さらに感染力も非常に強い病気で感染者の咳やくしゃみ・接触等でうつる可能性もあります。
乳幼児は注意が必要
この「百日咳」・・大人が感染しても「咳が長引く」程度の症状がほとんどですのでそこまで気にすることもないのですが、乳幼児のような小さな子供がかかると危険な場合があります。
特に注意が必要なのは生後6ヶ月未満の赤ちゃんで、この月令の赤ちゃんがかかると肺炎(約20%)や脳症(約0.5%)などの重い合併症を起こす場合もあり、痙攣や呼吸停止を起こし最悪死亡するケースもあるそうです。
この「百日咳」は四種混合ワクチンの予防接種で予防することができるので、生後3ヶ月になったら必ず予防接種をしましょう。
生後2ヶ月程の赤ちゃんでもかかる可能性はあるため・・予防接種を受ける前の乳幼児がいるご家庭で「咳が長引く風邪」のような症状の大人が近くにいたら十分に注意しましょう。
診断・治療
「百日咳」の診断はとても難しいと言われています。
感染している菌の検査をしても百日咳菌を見つけるのが難しいので、一般的には抗体の検査をするようです。
百日咳に感染すると体に抗体(免疫)ができるので、抗体ができているかを調べるわけですね。
そのため一度の検査ではわかりにくく、感染しはじめ(カタル期)と治りかけ(回復期)にそれぞれ検査して免疫の上がり方を比較して診断するようです。
百日咳の治療には抗生物質を使います、しかし感染初期段階で使用すれば効果は期待できるのですが・・先程説明したように初期段階での発見は非常に困難であることから症状が出始めてから診断・治療することがほとんどです。
そうなると抗生物質を服用してもほとんど症状改善に効果はありません、それでも菌の体外排出を抑える効果はあるため約2週間は服用することになります。
薬局で手に入る咳止めなどは効かないので咳が長期間続くようであれば一度病院で診てもらいましょう。
まとめ
四種混合の予防接種をすれば免疫ができて安心の「百日咳」ですが、年月が経つにつれて免疫も低下していき大人になってから発病してしまうケースが増えているようです。
感染力の高さから集団感染するケースも珍しくない病気です。
一番注意しなければいけないのは予防接種前の赤ちゃんへの感染になるので、症状が疑わしい場合は早めに病院へ行き少しでも感染を抑えましょう。
もちろん日ごろからの基本的な予防(手洗い・うがい・マスク)も忘れずに、赤ちゃんの予防接種も早めに済ませましょう。
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